このフレーム、個人開発者だけじゃなく「現場の課題を形にできる人」全員に通じる。
たとえば美容院の店長が「予約管理が手書きで大変」と感じたら、
Excel+LINE通知の簡単ツールを自作しただけで、同業他店が月1万円払うようになった例もある。
つまり「コードが書けるか」よりも、
・現場の“イラッ”を見つけて
・数字で損失を出し
・最小単位で形にする
この筋力が時代の通貨になる。
AIが大量生産する時代に、“現場とコードの両方を知る人”は代替されない。
個人開発はもう技術職ではなく、“課題発見職”。
ブルーワーカーが稼ぐ時代でも、
「現場を変えられるホワイトワーカー」は、依然として最前線に立てる。
気づいてるか?
AI時代、ブルーワーカーの方が稼げる時代がくるが、デスクワーカーで稼ぎ続けたいなら個人開発者になるしかない。
個人開発者に最低限必要な『4つのスキル』を解説する。
【スキル1:課題発見】
→むずかしい言葉で言うと「問題設定」。やることはシンプルで、誰が・どこで・何に・どれくらい困っているかを具体的に掘り出すこと。
①まず足を使って現場の声を集める
②「困っている回数×1回にかかる時間×人数×時給」で“お金にするといくらの損”かを計算。これが価値の源泉。
③「今はどうやってしのいでいる?」を必ず聞く。代替手段が面倒なら勝機がある。
例:毎週の請求書チェックで1人あたり1時間かかる、担当3人、時給2,000円 → 週6,000円、月24,000円の損。ここを短縮できれば有料にできる。
よくある勘違い:「良いアイデア」を思いつくことが出発点だと思ってしまうこと。正解は、現場で起きている“イラッ”を数えるところから。
今日の一歩:あなた自身か身近な人の“面倒な作業”を3つメモし、上の式で金額に直してみる。
【スキル2:仕様の意思決定】
→限られた時間で「先にやること・やらないこと」を決める力。完璧を目指さず、学びが一番大きい一手から出す。
①手順は「目的 → 成功指標(数字) → 仮説 → 最小機能(MVP) → “やらないこと”リスト」。
②成功指標は1つに絞る(例:手作業時間を50%削減、初回設定10分以内など)。
③最小機能は“人に説明できる完成”でOK。細かい見た目は後回し。
④仕様案の比較表づくり、ユースケースの洗い出し、テストケースの草案づくりはAIに任せる。人は優先順位の決断に集中。
失敗あるある:良さそうな機能を全部入れて速度が死ぬ。
今日の一歩:今考えている機能群を「今やる/後回し/捨てる」の3列に振り分ける。
【スキル3:ユーザーとの関係】
→プロダクトは“買って終わり”ではなく“使い続けてもらって価値を出す”ところまでが仕事。信頼がないと継続しない。
①最初の30分オンボーディング(使い方の同伴)で、初回のつまずきを一緒に解消。
②問い合わせは「初動5分以内に“見ています”と返す」だけでも安心感が激増。
③毎週の小さな改善を“見える化”(リリースノート、更新履歴)。透明性は最大の営業。
④指標:週あたりの利用者数、継続率、解約理由トップ3(“なぜ去ったか”を数で把握)。
・メッセージ例:
「いつもご利用ありがとうございます。最近、一番“面倒だと感じる操作”はどれですか?短い一文でOKです。次回更新の優先度を決める参考にします。」
今日の一歩:既存ユーザー1人に上の一文を送る。返ってきた言葉が次の仕様の種になる。
【スキル4:運用責任】
→“作って終わり”は趣味。お金をいただくなら“動かし続ける責任”まで引き受けなくちゃいけない。責任こそAIでは埋めにくい人間の価値。
①自分の介在価値を確認(何にユーザーはお金を払うか)
②自分ごととして考える(自分が利用者だったらトラブル時、どのように対応してほしいか)
③一次対応を開発者自らやるのは企業組織にはできないカスタマーサポート(生の意見を聞ける副次的メリットもある)
・問い合わせ受付サービスオススメ
LINE公式アカウント、Discord
今日の一歩:自分のプロダクトのLINE公式アカウントとDiscordサーバーを作成
まとめ。
個人開発者が新しいプロダクトを開発する時にやるべきは下記の手順。
❶足を使って課題を見つけ、面倒な作業を書き出し、損失額を計算する。
❷成功指標を1つ決め、最小機能を1つだけ作る。
❸ユーザー1人に「どこが一番面倒?」と聞く。
❹いつでも機能要望や不具合連絡をもらえるホットラインを用意する。
これをベースに自作プロダクトを育てれば、AI時代でも個人開発者はデスクワーカーとして稼ぎ続けられる。
ちなみにこのフレームは私の個人開発SaaS『Apps』での成功体験を元に作成した。Appsは3年8ヶ月で流通総額80億円を超えたプロダクトで、Appsがプチヒットした理由を考えていくなかでこのフレームが完成した。
普遍的なことしか言ってないと思うので、再現性は少なからずあると思う。また、私自身、今現在、このフレームを使って新しいプロダクトを作っている。
やるしかねえ。Don’t Work!